医療現場でヘルスリテラシーを高めるために知っておくべきこと

日本人のヘルスリテラシーと世界との比較

リテラシーの欠如によって問題が発生しているケースが多いことから、さまざまな分野でリテラシー教育が行われるようになりました。医療においては大きな話題になっているのがヘルスリテラシーです。
日本人のヘルスリテラシーは高いのではないかと思う人もいるでしょう。厚生労働省によってトクホと呼ばれる特定保健用食品の認可制度が設けられ、他にも機能性表示食品や栄養機能食品などが生まれました。多様な健康食品が流通するようになり、オーガニック野菜や玄米食などに着目する人も増えています。運動習慣を作るためのサポート器具などの開発も進められている状況を見ると、日本人はヘルスリテラシーが高くて適切な選択ができると考えられるかもしれません。

しかし、実際には世界的に比較した結果を見ると、日本人のヘルスリテラシーはかなり低い水準になっています。国別の比較結果ではオランダやアイルランドでヘルスリテラシーが高く、東南アジアでもインドネシアやミャンマーが上位に入っています。しかし、日本は欧米や東南アジアなどの諸国より順位が低いのが現状です。
リテラシーは基本的な考え方を理解する必要があるため、日本ではヘルスリテラシーについての教育を行う必要性が高いと言えるでしょう。しかし、教育現場でヘルスリテラシーを教える基盤が整っていないため、当面は医療現場が主な対応場所になります。看護師として働いていく上では認識しておく必要がある点です。