ヘルスリテラシーが高ければ、自身の健康を考慮した正確な判断ができ、リスクの高い行動に結びつくことは少ないでしょう。そもそも、健康でいるためにヘルスリテラシーが大切なのはどうしてでしょうか。
慢性的な運動不足、ファーストフードの過剰摂取、喫煙などは現代社会が生み出した悪弊ですが、このようなリスク要因が増えたことで、健康を意識した行動習慣に変える必要性に迫られているからです。また、医療が進化したものの、個人に合わせた治療やケアの種類が増え煩雑化し、我々には容易に理解できなくなっていることも一因かもしれません。
つまり、健康を促すための能力と言ってもよいスキルが個人に求められるようになり、それに応じてヘルスリテラシーの程度も高くなっているとも言えます。ただ、ヘルスリテラシーとは、個人と医療関係者との双方関係により成り立っているものなので、一般市民や患者だけに求められるものではありません。いかに個人に見合った分かりやすい情報を提供でき、正しい判断の場を設けられるかが鍵となってきます。
それは、医療関係者とのコミュニケーションでもあり、健康について深く理解する機会にも繋がります。さらに、ヘルスリテラシーのレベルアップをはかるためには、一般市民や患者も自身で積極的に学ぶことに加え、医療関係者でもある専門家が取り組むべきことも多々あります。例えば、時間をかけた丁寧なコミュニケーションに分かりやすい説明など、相手に寄り添った対応が必要なのです。